主観的な喜劇

~Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot. Charlie Chaplin~ 人生は主観的に見ると悲劇だが客観的に見ると喜劇であるらしい。それはともかくただの高校生(現在は大学院生)のブログ。

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ブレーメンの音楽隊

久しぶりに小説という名の怪文書です。後半は眠いときに書いたので多少荒れているかもしれません。


100年に一度の不景気と言われる今日、あるところに一匹の馬がいた。
「俺の名はアンドリュー・ジャクソニック。一流ギタリストを目指して10年も頑張ってきたが、昨日ついに『ギターが巨大なニンジンに見えて食欲を抑えきれない。』という理由で夢を絶たれちまった。もうこの先まっくらさ。ヒュ~ウゥ~オ~。」

馬は悩んだ。この先どうやって生きていけばいいのか。そして小一時間ほど悩んで、馬は一つの答えを出した。
「そうだ!現実を忘れるためにブレーメンで音楽隊をやろう。」
そのとき、馬の前を一匹の犬が通りかかった。

「俺の名はアンドロメダ・ジャスミンリッヒ。一流ドラマーを目指して頑張ってきたがお金がなくてドラムスティック一本しか買えず、しかたないので曲に合わせて10年間てきとうに振り続けていたら昨日『それってどちらかというと指揮者じゃね?』と言われて俺の夢は崩壊した。もうお先まっくろさ。ポぉ~おぅ~ピ~。」
馬が犬に話しかける。
馬「おお、犬っころ。どうやらその様子だとすげぇ途方にくれてるみてえだな。お前、俺と一緒にブレーメンで音楽隊をやる気はねぇか?」
犬「ブレーメン?そんな場所聞いたことないが…。まあいいか、どうせ行く当てもねぇ。お前さんについていくことにするよ。」
そのとき二匹の前を、一匹の猫が通りかかった。

「俺の名はアルンアロファ・ジャンヌダルーク。一流アーティストを目指して頑張っていたが、気がつけば10年間『ねこふんじゃった』の替え歌を数百パターンも作っていただけの自分に絶望して昨日夢を諦めた。もうお先まっしぐらさ。ぬぅ~スぽ~ぇレ~。」
馬「おお?どうやらあそこにも俺らの仲間がいる見てぇだな。」
犬「おい、にゃんころ。俺らとブレーメンで音楽隊をやる気はねえか?」
猫「おや、俺と同じような境遇の奴らが二匹もいるもんなのか。いいだろう、俺は曲作りが出来たらいいなぁと思っているがベースも弾けたらいいなぁと思っているんだ。仲良くしようぜ。」
そのとき、三匹の前を一羽の鶏が通りかかった。

「俺の名はアイドルムスカー・ジャイコニズム。一流ボーカリストを目指して頑張ってきたが、コケーコッコッココケーコッコッココッコッコケー十年間、コケコッケーケッケッ昨日ココーケッコケコーココケコケーッケコココー俺の夢は叶わぬものとなってしまった。もうお先マッコウクジラ。ズに~ォとェ~くィンぬ~。」
馬「俺らと」
犬「ブレーメンで音楽隊」
猫「かいならや」
鶏「やらいでか」
こうして鶏も音楽隊に加わった。

猫「さて、メンバーはこのくらいでいいんじゃないだろうか。ところで、ブレーメンとは一体どこにあるのだ?」
馬「ハハハハハ。実は、ブレーメンなんて場所は実在しないのさ。だが、強いて言うなら俺らの心の中にあるだろう。」
犬「心の中だと?お前さんは一体何をいってやがるんだ。」
馬「ああ、確かにもう自分でも分からねぇさ。だが、その心の中のブレーメンにすがって、心から音楽を発散すれば、何か救われるような気がしたんだ。」
猫「なるほど、ブレーメンは所詮、幻影に過ぎないというわけか。だが、あえて幻影にすがってみるのも俺たちに残された一つの救済の道なのかも知れねぇな。」
犬「ちょっと待てよ、にゃんころまで何を言い出すんだ。お前ら、どうにかしちまってるんじゃねぇのか?そんなアホみたいなことしてどうなるってんだおい。俺にはさっぱりさからねぇよ。」
馬「まあ、分からないなら無理はさせねぇさ。こんな俺なんかの勝手に付き合おうとしてくれて嬉しかったぜ。」
犬「そうか、それじゃあ俺はこれでおいとまさせてもらうとするか。」
猫「おい、待てよ。俺を音楽隊に誘ってくれたのはおめぇじゃねえか。そりゃぁつれねぇぜ。」
犬「止めようとしてもムダさ。俺は自分の道を見つけて生きてくぜ。」
鶏「ココケッコー…。ケー!」
犬「に、鶏さん…。そうだな。アンタの言うとおりだよ。俺もそのブレーメンとやらにすがってやろうじゃねぇか。こうなりゃぁ容赦はしねぇぜ。」
馬「決まりだな。みんな自分の楽器を構えよう。なぁに、足りないものは全てブレーメンが補ってくれるさ。さあ、いざ恐れずに!」

こうして馬は心のギターを、犬は心のドラムを、猫は心のベースを、鶏は心のマイクを構えて、一斉に歓喜に満ち溢れた音楽を奏で始めた。
「ぼーくらはみんな、生ーきているー。」
「生きーているからいつか死ぬー。」
「ぼーくらはみんな、生ーきているー。」
「生きーているから朽ち果てるー。」
「てーのひらをー太陽にー、透かしてみーれーばー。」
「コケッケケケコー。」
その音楽は三日三晩目黒区中に響き渡った。そして気がつけば、彼らの姿はそこにはなかった。しかし、今でも耳をすませばどこかから彼らの歌声が聞こえることがあるという。それは、あなたの心の中のブレーメンからのものかもしれない。彼らは現在でも止むことなく演奏し続けているのだ。


ちなみに念のため補足しておきますが、ブレーメンはドイツに実在する地名です。

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